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【障害福祉サービス】就労継続支援B型の減算について

就労継続支援B型の減算について

 

障害福祉サービスの事業者の皆様、
サービス報酬の給付申請は、当事務所のサポートをぜひご利用ください!

 

障害福祉サービスの報酬の給付申請は、国保連を経由して市町村に対して行うことになります。
事業者の皆様にとっては、このサービス報酬が主な収入源となります。

しかし、報酬の算定基準は毎年のように改定されます。

また、報酬の加算・減算項目も数多くあります。
サービス報酬の給付を受けるには、毎月申請をしなければなりません。

 

本記事では、障害福祉サービスのうち「就労継続支援B型」の報酬の「減算」について説明いたします。

 

1. 給付金の減算とは

障害福祉サービス事業所が適切に運営されていない場合、給付金が減額されることがあります。
これを「減算」と呼び、サービスの質の維持や適正な運営を促すために設けられています。
減算の種類や条件を理解し、適切な対応を行うことが重要です。
減算が適用されると事業所の経営に大きな影響を与えるため、運営者としては事前に対策を講じることが求められます。

 

2. 就労継続支援B型の減算

就労継続支援B型事業所は、以下の条件に該当すると減算の対象となります。
それぞれの減算の内容を詳しく解説します。

就労継続支援B型のサービス内容については、こちらのページをご覧ください。

 

2-1. 定員超過利用減算

利用者数が以下のように定員を超過している場合、
所定単位数の70%を算定されます

①1日当たり利用者数が、以下の数を超過している場合
・定員が50人以下の事業所は、当該定員の150%
・定員が51名以上の事業所は、当該定員から50を差し引いた員数の125%に75を加えた数

【例】利用定数70人、1月の開所日数が22日の施設の場合
70人+{(70人-50)×0.25+25}=100
したがって、1日の利用者数が100人を超える場合に減算となります。

②過去3か月間の平均利用人員が、以下の数を超過している場合
・定員の125%を超過している
・定員が11人以下の事業所は、当該定員に3を加えた数

【例】利用定数30人、1月の開所日数が22日の施設の場合
30人×22日×3月=1,980人
1,980人×1.25=2,475人(受入可能延べ利用者数)
したがって、3か月間の総延べ利用者数が2,475人を超える場合に減算となります。

定員管理を適切に行い、利用者の受け入れ状況を確認することが必要です。
特に新規利用者の受け入れ時には慎重な調整が求められます。
定員オーバーが頻繁に発生すると、行政指導の対象となる可能性もあります。

 

2-2. サービス提供職員欠如減算

サービス提供職員が指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、
以下の通り算定されます。

・1割を超えて欠如した場合にはその翌月から、
・1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から、人員基準欠如が解消されるに至った月までの間

①減算適用1月目から2月目:所定単位数の70%を算定
②減算適用3月目以降:所定単位数の50%を算定

具体的には、次のいずれかの場合、該当する期間、利用者全員について減算されます。
□職業支援員、生活支援員、サービス管理責任者、管理者に欠員がある場合
□常勤または専従など、従業員の員数以外の要件を満たしていない場合
□多機能型事業所等であって、複数の障害福祉サービスまたは昼間実施サービスの利用者の数の合計数に基づき、配置すべきサービス管理責任者の員数等を満たしていない場合

職員の配置基準を満たしているか定期的に確認し、不足がないよう人員確保に努めましょう。
また、職員の離職率を下げるために、労働環境の改善や定期的な研修の実施も重要です。

2-3. サービス管理責任者欠如減算

サービス管理責任者が指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、
その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの間、
以下の通り算定されます。

①減算適用1月目から4月目:所定単位数の70%を算定
②減算適用5月目以降:所定単位数の50%を算定

管理責任者の配置と業務遂行の確認が重要です。
適切な指導監督を行い、職員の業務遂行能力を向上させることも必要です。

 

2-4. 個別支援計画未作成減算

就労継続支援B型における個別支援計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、
当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月までの間、
以下の通り算定されます。

①減算適用1月目から2月目:所定単位数の70%を算定
②減算適用3月目以降:所定単位数の50%を算定

具体的には、次のいずれかに該当する期間および利用者につき減算されます。
□サービス管理責任者による指揮の下、個別支援計画が作成されていないこと
□指定障害福祉サービス基準または指定障害者支援施設基準に規定する個別計画の作成に係る一連の業務が、適切に行われていないこと

計画の作成と定期的な見直しを行いましょう。
計画の内容が利用者の状況に適しているか、定期的なヒアリングを行いながら調整することも重要です。

 

2-5. 短時間利用減算

「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律の評価する報酬体系について、
4時間未満の利用者の占める割合が50%以上である場合、
所定単位数の30%を減算されます

支援時間を適切に確保し、利用者の就労機会を最大限提供することが重要です。
特に、短時間しか利用できない利用者には、柔軟な対応策を講じることが求められます。

 

2-6. 情報公表未報告減算

情報公表制度に基づく報告が未実施の場合、
所定単位数の5%を減算されます

なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位とし、当該各種加算を含めた単位数の合計数に対して5%となるものではありません。

運営状況やサービス内容を定期的に公表し、透明性の確保に努めましょう。
特にウェブサイトやパンフレットなどを活用し、利用者やその家族が必要な情報を得られるようにすることが重要です。

2-7. 業務継続計画未策定減算

感染症と非常災害のいずれかまたは両方の業務継続計画が未策定の場合、
所定単位数の1%を減算されます

ただし、令和7年3月までは「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」および「非常災害に関する具体的計画の策定」を行っている場合には適用しません。

なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位とし、当該各種加算を含めた単位数の合計数に対して1%となるものではありません。
ただし、複数の減算事由に該当する場合にあっては、当該所定単位数に各種減算をしたうえで得た単位数(減算後基本報酬所定単位数)に対する100分の1に相当する単位数が減算となります。

事業継続のための計画を策定し、必要な訓練を実施しましょう。
特に、地震や台風などの自然災害が多い日本では、こうした計画の策定が不可欠です。

 

2-8. 身体拘束廃止未実施減算

身体拘束等の適正化を図る以下の措置を講じていない場合、
所定単位数の1%を減算されます

①身体拘束等の記録
②委員会の定期開催
③指針の整備
④研修の実施

なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位とし、当該各種加算を含めた単位数の合計数に対して1%となるものではありません。
ただし、複数の減算事由に該当する場合にあっては、当該所定単位数に各種減算をしたうえで得た単位数(減算後基本報酬所定単位数)に対する100分の1に相当する単位数が減算となります。

適正な支援を行い、利用者の権利を尊重した運営を徹底しましょう。
職員の意識改革を促すための研修を定期的に行うことも有効です。

 

2-9. 虐待防止措置未実施減算

虐待防止措置について次の基準を満たしていない場合、
所定単位数の1%を減算されます

①虐待防止委員会を定期的に開催するとともに、その結果について従業者に周知徹底を図ること
②従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること
③上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと

なお、当該所定単位数は、各種加算がなされる前の単位とし、当該各種加算を含めた単位数の合計数に対して1%となるものではありません。
ただし、複数の減算事由に該当する場合にあっては、当該所定単位数に各種減算をしたうえで得た単位数(減算後基本報酬所定単位数)に対する100分の1に相当する単位数が減算となります。

当該減算については上記①~③のいずれかの事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事等に提出した後、事実が生じた月から3か月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事等に報告することになります。

職員研修を実施し、虐待防止に努めることが求められます。
また、虐待が疑われるケースでは迅速に対応し、関係機関と連携を図ることも重要です。

 

3. 給付金の減算を防ぐには

減算を防ぐためには、以下の点に注意する必要があります。

  1. 職員配置の適正化:必要な職員を適切に配置し、不足が発生しないようにする。
  2. 計画の作成・更新:個別支援計画や業務継続計画を適切に作成・更新する。
  3. 情報の透明性を確保:運営情報を適切に公表し、利用者や関係者に正確な情報を提供する。
  4. 法令遵守と適正な運営:法令や基準を遵守し、適正な運営を心掛ける。
  5. 研修の実施:職員向けの研修を実施し、虐待防止や適正な支援方法について学ぶ機会を提供する。
  6. リスクマネジメントの強化:業務継続計画や災害対策を見直し、緊急時の対応力を向上させる。

 

4. まとめ

就労継続支援B型事業所では、適切な運営を行わないと給付金の減算を受ける可能性があります。
定員管理、職員配置、計画作成、情報公開、虐待防止など、減算を防ぐための対策を講じることが大切です。
適正なサービス提供を行い、利用者にとって安心できる環境を整えることを心掛けましょう。
さらに、定期的な見直しを行い、常に最新の運営基準を満たしているか確認することも不可欠です。

 

繰り返しになりますが、報酬の算定基準は毎年のように改定されます。

また、報酬の加算・減算項目は数多くあります。

 

面倒で難解な報酬の給付申請を当事務所にお任せいただければ、
事業者の皆様には利用者様へのご対応に力を注いでいただくことができます。

当事務所は、必要な情報をメールでお知らせいただければ、毎月の申請をサポートすることができます。

 

障害福祉サービスの報酬の給付申請は、
当事務所のサポートをぜひご利用ください!

ご相談・ご依頼は、こちらのページからお寄せください。

 

参照記事等

『障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年版 第1巻-報酬告示と留意事項通知』
(2024年8月、中央法規出版)

『障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年版 第2巻-報酬告示と留意事項通知』
(2024年8月、中央法規出版)

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