共同生活援助の加算について(1)
障害福祉サービスの事業者の皆様、
サービス報酬の給付申請は、当事務所のサポートをぜひご利用ください!
障害福祉サービスの報酬の給付申請は、国保連を経由して市町村に対して行うことになります。
事業者の皆様にとっては、このサービス報酬が主な収入源となります。
しかし、報酬の算定基準は毎年のように改定されます。
また、報酬の加算・減算項目も数多くあります。
サービス報酬の給付を受けるには、毎月申請をしなければなりません。
本記事では、障害福祉サービスのうち「共同生活援助」の報酬の「加算」について説明いたします。
1. 給付金の加算とは
障害福祉サービスの一つである共同生活援助(グループホーム)には、基本報酬に加えて、特定の支援体制や職員配置に応じた加算が適用されます。
これにより、利用者のニーズに応じた支援の充実が図られ、事業所の運営基盤を強化することができます。
加算は、一定の要件を満たすことで支給され、適用条件は厚生労働省の基準に基づいて定められています。
今回は、共同生活援助における主な加算の種類と、その要件について解説します。
また、加算を適用することにより、より専門的なサービスを提供することが可能となり、利用者のQOL(生活の質)の向上にもつながります。
加算の適用方法や具体的な要件についても詳しく説明していきます。
共同生活援助のサービス内容については、こちらのページをご覧ください。
2. 共同生活援助の加算
2-1. 福祉専門職員配置等加算
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士などの福祉専門職員を一定数配置している場合に適用される加算です。
良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応じて以下の通り加算されます。
①福祉専門職員配置等加算(Ⅰ):10単位/日
常勤の世話人または生活支援員のうち、
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士または公認心理士の資格保有者が
35%以上雇用されている事業所
②福祉専門職員配置等加算(Ⅱ):7単位/日
常勤の世話人または生活支援員のうち、
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士または公認心理士の資格保有者が
25%以上雇用されている事業所
③福祉専門職員配置等加算(Ⅲ):4単位/日
世話人または生活支援員のうち、
常勤職員が75%以上または勤続3年以上の常勤職員が
30%以上の事業所
専門職員の配置により、利用者に対する質の高い支援を提供することが目的です。
さらに、専門職員が定期的な研修を受け、最新の福祉支援技術を学ぶことで、より質の高い支援を提供することが求められます。
2-2. 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
視覚・聴覚・言語機能に重度の障害がある利用者が一定数以上であって、意思疎通に関し専門性を有する職員が一定数以上配置されている場合、以下の通り加算されます。
区分 | 加算単位数 | 備考 |
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ) | 51単位/日 | 視覚・聴覚言語障害者の割合が50%以上、 専門職員配置が1:40以上 |
視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅱ) | 41単位/日 | 視覚・聴覚言語障害者の割合が30%以上、 専門職員配置が1:50以上 |
点字資料の提供や手話通訳者の配置などが要件となります。
加えて、視覚・聴覚障害者が円滑に生活できるように、施設内のバリアフリー化やICTを活用した支援が求められます。
2-3. 看護職員配置加算
指定基準に定める員数の従業者に加え、看護職員を配置した場合、
70単位/日が加算されます。
また、看護職員が夜間にも待機できる体制を整えることで、さらに手厚い支援を行うことが可能です。
2-4. 高次脳機能障害者支援体制加算
高次脳機能障害を有する利用者が一定数以上であって、専門性を有する職員が配置されている場合、
41単位/日が加算されます。
専門的な知識を持つ職員の配置や、リハビリテーションの提供が求められます。
加えて、利用者の社会復帰を促すためのプログラムや、個別支援計画の策定が求められます。
2-5. ピアサポート実施加算(退居後ピアサポート実施加算)
障害者または障害者であった従業者で、障害者ピアサポート研修修了者であるものが、
利用者に対して、その経験に基づき相談援助を行った場合、
100単位/月が加算されます
(利用者の退居後に行う場合は「退居後ピアサポート実施加算」として加算されます)。
ピアサポートを通じて、利用者の自己決定支援や社会参加を促進します。
ピアサポートの実施にあたり、利用者が安心して相談できる環境を整えることが重要です。
2-6. 夜勤職員加配加算
日中サービス支援型における夜勤体制について、
指定基準に定める員数に加え、夜間時支援従業者を配置した場合、
149単位/日が加算されます。
また、夜間に緊急時対応ができる体制を整えることも重要です。
2-7. 重度障害者支援加算
障害支援区分6であって重症心身障害者等重度障害者等包括支援の対象となるもの、または、
障害支援区分4以上の強度行動障害を有する者が利用している場合であって、
指定基準に定める人員基準に加えて生活支援員を加配するとともに、
一定数のサービス管理責任者または生活支援員が一定の研修を修了している場合、
以下の通り加算されます。
区分 | 加算単位数 | 備考 |
重度障害者支援加算(Ⅰ) | 360単位/日
※個別支援を開始した日から180日以内は+500単位 |
生活支援員の20%以上が、強度行動障害支援者養成研修の基礎研修の修了者である事業所において、実践研修修了者作成の支援計画シート等に基づき、強度行動障害を有する利用者(区分6かつ行動関連項目10点以上)に対して個別支援を行った場合 |
重度障害者支援加算(Ⅱ) | 180単位/日
※個別支援を開始した日から180日以内は+400単位 |
生活支援員の20%以上が、強度行動障害支援者養成研修の基礎研修の修了者である事業所において、実践研修修了者作成の支援計画シート等に基づき、強度行動障害を有する利用者(区分4かつ行動関連項目10点以上)に対して個別支援を行った場合 |
職員の配置や支援の質が要件となります。
2-8. 医療的ケア対応支援加算
看護職員を加配している事業所において、
医療的ケアが必要なものに対してサービス提供を行った場合、
120単位/日が加算されます。
医療職の配置や適切な研修の受講が求められます。
また、利用者の健康状態を定期的に評価し、医療機関との連携を強化することが求められます。
2-9. 日中支援加算
夜間だけでなく、日中も利用者への支援が必要な場合に適用される加算です。
次のいずれかの場合、以下の通り加算されます。
①日中支援加算(Ⅰ)
65歳以上または障害支援区分4以上の障害者であって、
日中を共同生活住居の外で過ごすことが困難な利用者に対して必要な支援を行ったとき、
539単位が加算されます。
なお、対象利用者が2人以上の場合は、
1人当たり270単位が加算となります。
②日中支援加算(Ⅱ)
日中活動サービスの支給決定を受けている利用者、
地域活動支援センター、介護保険サービス、精神科デイ・ケアなどの利用者
または就労している利用者が、
心身の状況等により当該サービス等を利用できず、昼間に必要な支援を行ったとき、
・区分4~6:539単位/日が加算されます
(対象利用者が2人以上の場合は、1人当たり270単位が加算となります)。
・区分3以下:270単位/日が加算されます
(対象利用者が2人以上の場合は、1人当たり135単位が加算となります)。
日中活動の場の提供や、職員の配置が要件となります。
さらに、利用者の社会参加を促すプログラムの実施が推奨されます。
3. 給付金の加算を得るには
加算を受けるためには、以下のような手続きが必要となります。
1.要件の確認:厚生労働省の基準を満たしているか確認する。
2.届出の提出:加算の適用を受けるため、自治体へ届出を行う。
3.運営体制の整備:必要な職員の配置や、支援体制の整備を行う。
4.適正な記録管理:加算に関する記録を適切に管理し、監査時に提出できるようにする。
5.継続的な改善:定期的に運営状況を見直し、よりよい支援を提供するための体制を強化する。
4. まとめ
共同生活援助の事業者が適切な加算を受けることで、利用者に対する支援の充実を図ることができます。
事業所の運営基盤を強化するためにも、各加算の要件を正しく理解し、適用可能なものを積極的に活用していくことが重要です。
行政書士として、事業者の適正な加算取得のサポートを行い、円滑な運営に貢献していきます。
また、最新の制度改正にも対応し、より良い支援体制の構築を支援します。
繰り返しになりますが、報酬の算定基準は毎年のように改定されます。
また、報酬の加算・減算項目は数多くあります。
面倒で難解な報酬の給付申請を当事務所にお任せいただければ、
事業者の皆様には利用者様へのご対応に力を注いでいただくことができます。
当事務所は、必要な情報をメールでお知らせいただければ、毎月の申請をサポートすることができます。
障害福祉サービスの報酬の給付申請は、当事務所のサポートをぜひご利用ください!
ご相談・ご依頼は、こちらのページからお寄せください。
参照記事等
『障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年版 第1巻-報酬告示と留意事項通知』
(2024年8月、中央法規出版)
『障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年版 第2巻-報酬告示と留意事項通知』
(2024年8月、中央法規出版)