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【障害福祉サービス】就労継続支援B型サービスにおいて就労移行の支援や連携のしくみをつくった場合の加算

就労継続支援B型サービスにおける「就労移行支援体制加算」と「就労移行連携加算」について

 

就労継続支援B型サービスを提供する事業所は、障害を持つ方々が一般企業での就職や、安定した就労を実現するための重要な役割を果たしています。
その中で、「就労移行支援体制加算」と「就労移行連携加算」という加算制度があり、事業所の収益向上やサービス品質の向上に大きく貢献します。
本記事では、これら2つの加算について、その内容や取得要件、導入のメリットについて詳しく解説します。

 

1. 就労移行支援体制加算とは

就労移行支援体制加算は、就労継続支援B型事業所の利用者が一般企業などで6ヶ月以上就労した場合に、事業所全体に対して付与される加算制度です。
これは、利用者の就労成功を事業所全体の成果として評価する仕組みであり、事業所が就労移行に向けた取り組みを強化するインセンティブとなっています。

 

1.1 算定要件

就労移行支援体制加算を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

-就労定着者の存在:前年度に事業所の利用者が一般企業等に就職し、少なくとも6ヶ月以上継続して就労していること。
-雇用契約の種類:正社員、契約社員、パートなど、雇用契約の形態や労働時間は問われません。
-記録の整備:就労定着者に関する就労状況の記録を適切に保管し、求められた際に提出できること。

 

1.2 加算単位数と対象者

加算単位数は、利用者数や平均工賃月額に基づき決定されます。
以下に具体例を示します。

利用定員 平均工賃月額 加算単位数(1日あたり)
20人以下 45,000円以上 93単位
21~40人 45,000円以上 49単位
41~60人 45,000円以上 35単位
61~80人 45,000円以上 27単位
81人以上 45,000円以上 22単位

 

-特記事項:平均工賃月額が45,000円未満の場合、加算単位数はさらに低く設定されます。

-対象期間:加算は翌年度の1年間適用されます。

 

1.3 加算額の計算例

仮に、利用定員が20人以下で、平均工賃月額が20,000円以上25,000円未満の場合、以下のように計算します。

-計算式:加算単位数 × 地域単価(例:10円) × 就労定着者数 × 通所利用日数
-例:58単位 × 10円 × 2人 × 20日 = **464,000円**

加算額の計算は地域ごとの単価や利用者数により異なるため、具体的な金額は各自治体の指導に従う必要があります。

 

2. 就労移行連携加算とは

就労移行連携加算は、就労継続支援B型事業所が就労移行支援事業所と協力して、利用者が一般就労に移行できるよう支援体制を整備している場合に適用される加算です。
この加算は、事業所間の連携を促進し、利用者に対する包括的な支援を可能にする仕組みです。

 

2.1 算定要件

就労移行連携加算を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

 

1.連携協定の締結:
– 就労移行支援事業所と正式な連携協定を結んでいること。
– 協定書には、役割分担や支援方法などが明記されている必要があります。

2.情報共有の実施:
連携事業所と定期的に会議を実施し、利用者の状況や支援内容に関する情報を共有していること。

3.個別支援計画の策定:
– 利用者ごとに個別支援計画を策定し、進捗状況を適宜確認していること。

4.連携内容の記録:
– 会議記録や支援計画書を保管し、加算の算定時に提出できる状態にしておくこと。

 

2.2 加算単位数

就労移行連携加算の単位数は、事業所の規模や利用者数、実施体制に応じて異なります。
詳細は各自治体の指導資料を確認することが推奨されます。

 

 

3. これらの加算取得のメリット

加算を取得することで、事業所は以下のような利点を享受できます。

 

3.1 経営の安定化

加算により、事業所の収入が増加し、安定的な運営が可能になります。
特に、利用者数が多い事業所では加算額が高額になるため、経営基盤の強化に直結します。

 

3.2 サービスの質向上

加算取得の要件を満たすためには、利用者支援の体制を整備する必要があります。
その過程で、事業所全体の支援スキルや体制が向上し、結果として利用者へのサービスが充実します。

 

3.3 利用者満足度の向上

一般就労への移行が促進されることで、利用者の目標達成が実現しやすくなります。
これにより、利用者やその家族からの信頼も向上します。

 

4. 加算取得に向けた実践的なポイント

 

4.1 計画的な支援の実施

利用者が早期に就職し、6ヶ月以上の就労を継続できるよう、就職活動の支援やスキルアップ研修を積極的に行いましょう。

 

4.2 関係機関との連携強化

就労移行支援事業所や地元企業、ハローワークとの連携を強化し、利用者の就労チャンスを広げる取り組みを進めましょう。

 

4.3 記録と書類の整備

加算取得には、記録の整備が重要です。
就労定着者の就労状況、会議の議事録、支援計画書など、すべての記録を適切に管理しておくことが必要です。

 

4.4 職員の研修強化

職員のスキルアップを図ることで、利用者支援の質が向上し、加算取得にもつながります。
定期的に研修を実施し、最新の支援方法や制度について学ぶ機会を提供しましょう。

 

まとめ

就労移行支援体制加算と就労移行連携加算は、事業所の収益を向上させるだけでなく、利用者支援の質を高める重要な制度です。
要件を満たすための体制を整え、記録管理を徹底することで、事業所運営の効率化と利用者満足度の向上を両立させることが可能です。
事業所の未来を見据えた取り組みを進めましょう。

以上の内容を参考に、就労継続支援B型事業所の運営にお役立てください。

 

ならざき行政書士事務所は、障害福祉サービスの事業者様をサポートしています。
取扱い業務および料金は、こちらのページをご覧ください。
ご相談・ご依頼は、こちらのお問い合わせフォームよりお寄せください。

 

≪参考≫

就労移行支援体制加算は、就労継続支援B型事業所の利用者が一般企業等に就職し、6ヶ月以上継続して就労した場合に、事業所全体に対して適用される加算です。
この加算の単位数は、事業所の利用定員と平均工賃月額に基づいて設定されています。

加算単位数の詳細

利用定員 平均工賃月額20,000円未満 平均工賃月額20,000円以上45,000円未満 平均工賃月額45,000円以上
20人以下 23単位 58単位 93単位
21~40人 12単位 31単位 49単位
41~60人 9単位 22単位 35単位
61~80人 7単位 17単位 27単位
81人以上 5単位 14単位 22単位

このように、利用定員が少なく、平均工賃月額が高い事業所ほど、加算単位数が高く設定されています。
具体的な加算額は、上記の単位数に地域ごとの単価(例:10円)を掛け合わせ、さらに就労定着者数と通所日数を乗じて算出されます。

 

計算例

例えば、利用定員が20人以下で、平均工賃月額が45,000円以上の場合、加算単位数は93単位となります。
地域単価が10円、就労定着者が2人、1ヶ月の通所日数が20日とすると、加算額は以下のように計算されます。

93単位 × 10円 × 2人 × 20日
= 37,200円

この加算は、事業所の収入増加に寄与するだけでなく、利用者の就労支援体制の強化にもつながります。
適切な支援を行い、就労定着者を増やすことで、事業所全体の評価と収益の向上が期待できます。

※加算の適用や単位数は、年度ごとに変更される可能性があります。最新の情報は、厚生労働省や各自治体の公式発表を参照してください。

 

 

参照記事等

障がい福祉事業の開業支援[大阪・京都・奈良]のウェブサイト「就労移行支援体制加算の考え方をわかりやすく解説」
https://syogaifukushi-osaka.com/shuro-iko-shien-taisei-kasan/
(最終閲覧2024年12月9日)

LITALICO仕事ナビのウェブサイト「ポイント解説:就労移行支援体制加算(B型)」
https://snabi-biz.jp/guide/idx38
(最終閲覧2024年12月9日)

行政書士いぐちさき事務所のウェブサイト「就労移行連携加算(B型)」
https://sakiiguchi.com/category6/category9/entry42.html
(最終閲覧2024年12月9日)

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