日本に在留する外国人の2023年の状況について
1. 在留外国人の人数
2023年の日本では、外国人の在留者数が引き続き増加傾向にあります。
法務省の統計によると、日本で暮らす外国人の総数は300万人を超えており、近年では労働力としての役割が重要視されています。
日本社会は少子高齢化が深刻化しており、国内の労働力不足を補うためにも外国人の受け入れが急務となっています。
外国人の多くは都市部で働く傾向がありますが、地方の労働力としても徐々に注目されています。
2. 在留外国人の出身国
日本に住む外国人の出身国は多岐にわたりますが、特に以下の国々からの在留者が多くを占めています。
これらの国々からの人々は、さまざまな目的で日本に来ていますが、それぞれの背景や職業にも特徴があります。
2-1. 中国
中国は日本に在留する外国人の中で最も多い出身国です。
ビジネスや学業のために来日するケースが多く、特に日本企業と提携するための駐在員や、日本の大学や専門学校で学ぶ学生が増えています。
また、家族と共に日本で長期的に暮らす人も増えており、永住権を取得するケースも少なくありません。
2-2. ベトナム
ベトナムからの在留者は技能実習生や留学生が中心で、若年層が多いことが特徴です。
日本では建設業、農業、製造業での労働力としてベトナムからの外国人が重宝されており、技能実習制度の拡充により、日本で働くベトナム人は年々増加しています。
最近では技術力を高めた後に、特定技能ビザで長期間働くために滞在するケースも増えてきています。
2-3. フィリピン
フィリピンからは、特に介護や医療分野での労働者が多く在留しています。
日本の少子高齢化により、介護分野の人材不足が深刻化しているため、フィリピン人がこの分野で活躍しています。
さらに、家事サポートや福祉関連の仕事にも多く従事しており、フィリピン人労働者の増加は今後も続くと考えられます。
2-4. 韓国
韓国からの在留者は地理的に近いため、日本との交流も盛んであり、特に短期滞在者が多く見られます。
観光やビジネス目的での来日も多いですが、文化交流や学業のために長期滞在を希望するケースもあります。
また、日本と韓国は経済的なつながりが深いため、韓国人ビジネスマンや駐在員も増加しています。
2-5. インドネシア
インドネシアからの在留者も技能実習生が中心で、建設業や製造業での労働力として多くのインドネシア人が日本で働いています。
技能実習制度を通じて技術を学び、母国での産業発展に役立てることを目的に来日する人が多いですが、最近では特定技能ビザで長期滞在する傾向も強まっています。
3. 在留外国人の在留資格
日本に住む外国人は、目的に応じてさまざまな在留資格を取得して生活しています。
以下に代表的な在留資格について、それぞれの特徴を詳しく説明します。
3-1. 就労ビザ
就労ビザは、日本で専門的・技術的な職種に就く外国人が取得するビザです。
主にIT分野、エンジニアリング、経済や法律に関わる仕事に従事する人が対象で、在留資格によって具体的な職種や業務内容が定められています。
日本では高いスキルを持つ外国人が求められており、今後もこのビザの需要は増加すると考えられています。
3-2. 技能実習ビザ
技能実習ビザは、日本の技術や知識を習得し、母国で活かすことを目的に発行されるビザです。
農業、建設業、製造業などで働く外国人が多く、技能実習生は日本の産業を支える大切な労働力となっています。
特に地方の中小企業では、技能実習生の存在が欠かせません。
3-3. 留学ビザ
日本の大学や専門学校で学ぶために必要なビザで、留学ビザを取得することで日本語や専門分野の知識を深めることが可能です。
多くの留学生が日本語学校を経て大学に進学し、日本での就職を目指すケースも増えています。
日本国内の国際化が進む中で、留学生は日本の労働市場においても注目されています。
3-4. 家族滞在ビザ
家族滞在ビザは、就労ビザや留学ビザを持つ外国人の家族が日本で生活するために必要なビザです。
家族と一緒に日本で安定した生活を送ることができるため、家族と共に来日する外国人が増えています。
家族滞在ビザの制度は外国人労働者の定着を促進するためにも重要な役割を果たしています。
3-5. 永住ビザ
永住ビザは、日本で長期間生活し、社会に貢献してきた外国人が取得できるビザで、一度取得すると在留資格の更新が不要となります。
永住ビザを取得するには、安定した収入や一定の年数以上の滞在が求められますが、取得できると就労や生活の自由度が大幅に広がるため、多くの外国人がこのビザを目指しています。
4. 2019年から2023年までの在留外国人の変化
4-1. 2019年から2021年までの減少
2019年から2021年にかけては、新型コロナウイルスの影響で外国人の入国が大幅に制限され、在留外国人の数は一時的に減少しました。
特に観光業や飲食業などの業界は、外国人観光客や留学生の減少で打撃を受けました。
4-2. 2022年から2023年にかけての増加
2022年以降、コロナ規制が緩和され、外国人の入国が再び増加しました。
特に就労ビザや技能実習ビザの申請が急増し、多くの外国人が日本で働き始めています。
また、観光業の回復により、短期滞在者の数も増加傾向にあります。
4-3. 在留資格の多様化
最近では、新たな職種や分野での外国人受け入れが進み、在留資格も多様化しています。
特定技能ビザや高度専門職ビザなど、さまざまな在留資格が増えており、外国人が幅広い分野で活躍できるようになっています。
これにより、日本の産業において外国人が果たす役割はさらに大きくなっています。
5. 日本における外国人の今後の展望
日本は今後も少子高齢化が進むため、外国人の労働力がより一層重要になると予測されます。
政府は、外国人の就労環境の改善や永住ビザ取得の緩和を進める方針を検討しています。
また、多文化共生社会の実現に向けて、地域社会での支援体制も拡充されつつあります。
これにより、外国人が日本社会に適応しやすい環境が整備されるとともに、彼らの日本社会への貢献も期待されています。
6. まとめ
2023年現在、日本には多くの外国人が在留しており、彼らは日本社会に欠かせない存在となっています。
出身国や在留資格も多様で、日本の産業や経済の活性化に大きく貢献しています。
今後も外国人の受け入れが進み、日本の労働市場や地域社会において、外国人の役割はさらに重要になるでしょう。
参照文献等
出入国在留管理庁のウェブサイト「令和5年末現在における在留外国人数について」(令和6年3月22日)
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00040.html
(最終閲覧2024年10月28日)
出入国在留管理庁「外国人との共生社会の実現に向けた取組」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/taikai/r04/pdf/93855301_04.pdf
(最終閲覧2024年10月28日)