処遇改善加算のうちベースアップ加算の種類と要件
障害福祉サービスの事業者の皆様、
新年度の届出書類の作成は、当事務所のサポートをぜひご利用ください!
障害福祉サービス事業者の介護給付費の算定に係る体制届や処遇改善加算計画書の提出は、市町村の障害福祉担当部局に対して行うことになります。
しかし、新年度の届出は、要項や書式の公表から提出の締切りまでの期間がとても短いです。
また、処遇改善加算の算定基準は毎年のように改定されます。
事業者の皆様にとって、年度初めは特に忙しい時期になります。
本記事では、障害福祉サービスの処遇改善加算のうち、ベースアップ加算の種類と要件について説明いたします。
はじめに
福祉・介護業界では、職員の処遇改善が重要な課題となっています。
その一環として導入されたのが「ベースアップ加算」です。
この加算制度は、福祉・介護職員の賃金向上を目的とし、事業者の負担を軽減しながら職員の処遇を改善するために設けられました。
本記事では、令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定により新たに創設された「福祉・介護職員等処遇改善加算」について、その仕組みや要件を詳しく解説していきます。
愛知県障害福祉課のサイト
「福祉・介護職員の処遇改善に関する加算について」(2025年3月10日掲載)
1.ベースアップ加算の仕組み
ベースアップ加算は、福祉・介護職員の賃金改善を目的とした加算制度です。
令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定において、旧3加算(旧処遇改善加算、旧特定加算、旧ベースアップ等加算)を一本化し、福祉・介護職員等処遇改善加算として創設されました。
この加算は、事業者の賃金改善や申請に係る事務負担を軽減し、利用者にとって分かりやすい制度とすることを目的としています。
2.ベースアップ加算の要件
ベースアップ加算の要件は以下の通りです。
2-1 月額賃金改善要件Ⅰ
処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を、基本給または決まって毎月支払われる手当の改善に充てることが求められます。
2-2 月額賃金改善要件Ⅱ
旧ベースアップ等加算相当の加算額の3分の2以上を、新規に基本給等の引上げにより賃金改善を行うことが求められます。
2-3 キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備等)
福祉・介護職員の任用要件、賃金体系の整備、就業規則等の明確な根拠規程の整備と周知を行うことが求められます。
処遇改善加算Ⅰ~Ⅳを取得するのに必要となります。
(1)任用要件
福祉・介護職員の任用における職位、職責、職務内容等の要件を定めること。
(2)賃金体系
職位、職責、職務内容等に応じた賃金体系を定めること。
(3)周知
任用要件と賃金体系について、就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知すること。
2-4 キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等)
資質向上の目標に沿った研修の実施や研修機会の確保が求められます。
処遇改善加算Ⅰ~Ⅳを取得するのに必要となります。
(1)研修計画の策定
・福祉・介護職員の職務内容等を踏まえ、資質向上の目標及び以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、研修の実施または研修機会の確保を行うこと。
・資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供または技術指導等を実施し、福祉・介護職員の能力評価を行うこと。
・資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助等)を実施すること。
(2)周知
研修計画について、全ての福祉・介護職員に周知すること。
2-5 キャリアパス要件Ⅲ (昇給の仕組みの整備等)
経験や資格等に応じた昇給の仕組みの整備が求められます。
処遇改善加算Ⅰ~Ⅲを取得するのに必要となります。
(1)昇給の仕組み
福祉・介護職員について、経験や資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること。
具体的には、以下のいずれかに該当する仕組みであること。
・経験に応じて昇給する仕組み(勤続年数や経験年数などに応じて昇給する仕組み)。
・資格等に応じて昇給する仕組み(介護福祉士等の資格の取得や実務者研修等の修了状況に応じて昇給する仕組み)。
・一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み(実技試験や人事評価などの結果に基づき昇給する仕組み)。
(2)周知
昇給の仕組みについて、就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知すること。
2-6 キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)
賃金改善後の賃金が年額440万円以上となる職員を1人以上設定することが求められます。
処遇改善加算Ⅰ・Ⅱを取得するのに必要となります。
(1)賃金改善
経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額が年額440万円以上であること。
ただし、以下の場合など、例外的に当該賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合はこの限りではない。
・小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合。
・職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難な場合。
・年額440万円の賃金改善を行うに当たり、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合。
2-7 キャリアパス要件Ⅴ(配置等要件)
福祉専門職員配置等加算の届出を行っていることが求められます。
処遇改善加算Ⅰを取得するのに必要となります。
(1)福祉専門職員配置等加算
・福祉専門職員配置等加算(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護にあたっては特定事業所加算)の届出を行っていること。
3.職場環境等要件
別表1 表4 職場環境等要件の区分
・入職促進に向けた取組 |
・資質の向上やキャリアアップに向けた支援 |
・両立支援・多様な働き方の推進 |
・腰痛を含む心身の健康管理 |
・生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組 |
・やりがい・働きがいの醸成 |
(1)処遇改善加算ⅠまたはⅡを取得する場合
・上記の各区分について2以上(生産性向上は3以上)の取組みを実施すること
・ホームページ掲載などを通じて取組内容を具体的に記載すること(見える化)
(2)処遇改善加算ⅢまたはⅣを取得する場合
・上記の各区分について1以上(生産性向上は2以上)の取組みを実施すること
これらの要件を満たすことで、福祉・介護職員等処遇改善加算を算定することができます。
まとめ
ベースアップ加算は、福祉・介護職員の賃金向上を目的とし、事業者の負担を軽減するための重要な制度です。
加算を受けるためには、賃金改善の実施、キャリアパス要件の整備、研修制度の充実、昇給の仕組みの導入など、多くの要件を満たす必要があります。
特に、職員のキャリアアップを促進し、長く安心して働ける環境を整備することが求められます。
事業者にとっては制度を適切に理解し、適用要件を満たすことで、よりよい職場環境の構築につなげることが重要です。
本記事が、福祉・介護事業者の皆様にとって、加算の活用と職員の処遇改善の一助となれば幸いです。
繰り返しになりますが、新年度の届出は、要項や書式の公表から提出の締切りまでの期間がとても短いです。
また、処遇改善加算の算定基準は、毎年のように改定されます。
面倒で難解な新年度届出書類の作成を当事務所におまかせくだされば、
事業者の皆様には利用者様へのご対応に力を注いでいただくことができます。
当事務所は、3月20日(木曜)までにご依頼いただければ、新年度の届出書類の作成をサポートすることができます。
障害福祉サービス事業者の新年度届出書類の作成は、
当事務所のサポートをぜひご利用ください!
ご質問・ご相談・ご依頼は、こちらのお問い合わせフォームからお寄せください。