共同生活援助の減算について
障害福祉サービスの事業者の皆様、
サービス報酬の給付申請は、当事務所のサポートをぜひご利用ください!
障害福祉サービスの報酬の給付申請は、国保連を経由して市町村に対して行うことになります。
事業者の皆様にとっては、このサービス報酬が主な収入源となります。
しかし、報酬の算定基準は毎年のように改定されます。
また、報酬の加算・減算項目も数多くあります。
サービス報酬の給付を受けるには、毎月申請をしなければなりません。
本記事では、障害福祉サービスのうち「共同生活援助」の報酬の「減算」について説明いたします。
1. 給付金の減算とは
障害福祉サービスを提供する事業者には、サービスの質を確保するためにさまざまな基準が定められています。
基準を満たさない場合、自治体からの給付金が減額されることがあり、これを「減算」といいます。
減算は事業運営に直接的な影響を及ぼすため、適切な対策を講じることが重要です。
また、減算の種類や基準は年度ごとに見直されることが多く、事業者は最新の動向を常に把握する必要があります。
特に、基準が厳格化されることがあるため、事業所の運営方針に影響を与える可能性があります。
共同生活援助のサービス内容については、こちらのページをご覧ください。
2. 共同生活援助の減算
共同生活援助(グループホーム)は、障害のある方が地域で自立した生活を送るための支援を行うサービスです。
適切な支援が提供されない場合、自治体からの給付金が減額されることがあります。
以下のような要件を満たさない場合、給付金の減算対象となります。
(1) サービス提供職員欠如減算
サービス提供職員が指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、
・1割を超えて欠如した場合にはその翌月から、
・1割の範囲内で欠如した場合にはその翌々月から、
人員基準欠如が解消されるに至った月までの間、以下の通り減算されます。
①減算適用1月目から2月目:所定単位数の70%を算定
②減算適用3月目以降:所定単位数の50%を算定
具体的には、夜間支援の体制や、日中の支援員の確保が求められます。
また、夜間における緊急時対応の訓練が不足している場合も減算の対象となる可能性があります。
(2) サービス管理責任者欠如減算
サービス管理責任者が指定基準に定める人員基準を満たしていない場合、
その翌々月から人員基準欠如が解消されるに至った月までの間、
以下の通り減算されます。
①減算適用1月目から4月目:所定単位数の70%を算定
②減算適用5月目以降:所定単位数の50%を算定
特に、必要な資格や経験を満たしているか確認が必要です。
さらに、サービス管理責任者の研修受講状況も影響し、定期的なスキルアップが求められます。
(3) 個別支援計画未作成減算
共同生活援助における個別支援計画が作成されずにサービス提供が行われていた場合、
当該月から当該状態が解消されるに至った月の前月までの間、減算されます。
①減算適用1月目から2月目:所定単位数の70%を算定
②減算適用3月目以降:所定単位数の50%を算定
計画の策定・見直しを定期的に行うことが求められます。
また、計画が実際の支援内容と乖離している場合も指摘される可能性があるため、現場と連携を強化することが重要です。
(4) 大規模住居等減算
共同生活住居の規模が一定以上の場合、減算されます。
入居定員 | 減算 |
8人以上 | 所定単位数の95%を算定 |
21人以上 | 所定単位数の93%を算定 |
一体的な運営が行われている共同生活住居の入居定員の合計数が21人以上 | 所定単位数の95%を算定 |
利用者のプライバシーを確保し、適切な居住環境を整備することが重要です。
さらに、住宅の耐震性や防災対策も評価の対象となることがあります。
(5) 情報公表未報告減算
情報公表制度に基づく報告が未実施の場合、
所定単位数の10%を減算されます。
事業所の透明性を確保し、定期的に情報公開を行うことが必要です。
特に、利用者や家族が安心して利用できるよう、ウェブサイトなどを活用した情報提供が求められます。
(6) 業務継続計画未策定減算
感染症と非常災害のいずれかまたは両方の業務継続計画が未策定の場合、
所定単位数の3%を減算されます。
ただし、令和7年3月までは、「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」および「非常災害に関する具体的計画の策定」を行っている場合には適用されません。
職員の役割を明確にし、訓練を行うことが求められます。
特に、地震や火災などの自然災害に備えた対策が重要視されています。
(7) 身体拘束廃止未実施減算
身体拘束等の適正化を図る以下の措置を講じていない場合、
所定単位数の10%を減算されます。
①身体拘束等の記録
②委員会の定期開催
③指針の整備
④研修の実施
職員の意識改革や研修を強化し、利用者の尊厳を守るための対応が求められます。
(8) 虐待防止措置未実施減算
虐待防止措置について次の基準を満たしていない場合、
所定単位数の1%を減算されます。
①虐待防止委員会を定期的に開催するとともに、その結果について従業者に周知徹底を図ること
②従業者に対し、虐待防止のための研修を定期的に実施すること
③上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと
特に、虐待発生時の対応マニュアルの整備が求められ、報告義務を果たすことが重要です。
3. 給付金の減算を防ぐには
共同生活援助事業者が給付金の減算を防ぐためには、以下のポイントに注意する必要があります。
–人員配置基準を満たす:必要な職員を確保し、適切な支援体制を整える。
–個別支援計画の適切な策定と運用:定期的な見直しと利用者に応じた計画の作成を行う。
–適切な情報公表:行政機関へ必要な情報を提出し、事業所の透明性を確保する。
–業務継続計画の策定:災害時や緊急時に対応できる体制を整える。
–身体拘束・虐待防止の徹底:職員研修を行い、利用者の安全を確保する。
–継続的な研修と教育の強化:職員のスキル向上を目的とした研修を定期的に実施する。
4. まとめ
共同生活援助事業を適切に運営するためには、各種基準を満たし、減算を回避することが重要です。
事業の持続的な運営のためにも、日々の業務の見直しと改善を行い、適切な支援を提供することが求められます。
また、最新の制度改正を常に把握し、適切に対応する姿勢が重要です。
繰り返しになりますが、報酬の算定基準は毎年のように改定されます。
また、報酬の加算・減算項目は数多くあります。
面倒で難解な報酬の給付申請を当事務所にお任せいただければ、
事業者の皆様には利用者様へのご対応に力を注いでいただくことができます。
当事務所は、必要な情報をメールでお知らせいただければ、毎月の申請をサポートすることができます。
障害福祉サービスの報酬の給付申請は、
当事務所のサポートをぜひご利用ください!
ご相談・ご依頼は、こちらのページからお寄せください。
参照記事等
『障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年版 第1巻-報酬告示と留意事項通知』
(2024年8月、中央法規出版)
『障害者総合支援法 事業者ハンドブック 報酬編 2024年版 第2巻-報酬告示と留意事項通知』
(2024年8月、中央法規出版)