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【障害福祉サービス】就労継続支援B型サービスにおいて食事を提供する仕組みをつくった場合の加算、欠席時に対応した場合の加算

就労継続支援B型サービスにおける「食事提供体制加算」と「欠席時対応加算」について

 

就労継続支援B型事業所では、利用者の方々にとってより良いサービスを提供するために、さまざまな加算制度が設けられています。
今回はその中でも「食事提供体制加算」と「欠席時対応加算」に焦点を当て、それぞれの概要や算定要件、運用のポイントについて詳しく解説します。
これらの加算は事業所の運営において重要な位置を占めており、正しく理解し運用することで利用者の生活を支えるだけでなく、事業所としての信頼性を高めることにもつながります。

 

1. 食事提供体制加算とは

 

1.1 食事提供体制加算の概要

食事提供体制加算は、就労継続支援B型サービスを利用する中で、収入が一定額以下の利用者に対し、適切な体制で食事を提供した場合に算定できる加算です。
この加算の目的は、経済的に困難な状況にある利用者でも栄養バランスの取れた食事を摂取できるよう支援することにあります。

「収入が一定額以下」の基準は以下の通りです。

– 生活保護受給世帯
– 市町村民税非課税世帯
– 所得割16万円未満の世帯

この加算は、利用者の健康管理における重要な役割を果たすと同時に、事業所が質の高いサービスを提供していることを示す指標にもなります。

 

1.2 算定要件

食事提供体制加算を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
これらの要件を確実に満たすことが、算定時にトラブルを避けるための鍵となります。

 

要件1. 管理栄養士または栄養士の関与

– 食事の献立作成や確認に、管理栄養士または栄養士が関与することが求められます。
– 外部委託している場合でも、最低年1回の栄養士による確認が必要です。

 

要件2. 利用者ごとの摂食量の記録

– 食事提供日ごとに、各利用者の摂食量を「完食」「全体の○割」といった形で具体的に記録します。
– 摂食量の記録は、利用者の健康状態の把握に欠かせない情報となります。

 

要件3. 利用者ごとの体重やBMIの記録

– 概ね6ヶ月に1回、各利用者の体重やBMIを記録します。利用者の健康管理に直結する情報として、正確な記録が求められます。
– 記録は利用者の同意が前提ですが、意向によって免除することも可能です。

 

1.3 調理方法の注意点

食事提供体制加算の算定において、調理方法も重要なポイントです。

– 原則として、事業所内で調理した食事を提供する必要があります。
– クックチル方式(調理済みの食材を冷却・真空パックし、再加熱して提供する方法)を利用することも認められています。
– 一方、出前や市販の弁当を提供する場合は加算の対象外となるため注意が必要です。

こうした調理方法の条件は、利用者に安全で健康的な食事を届けるための基準となっています。

 

1.4 経過措置

現在、この加算に関しては経過措置が設けられています。
令和6年9月30日までは、一部の要件を満たしていない場合でも加算が認められる場合があります。
ただし、経過措置終了後は全要件を満たす必要があるため、事業所は早めに体制を整えておくことが重要です。

 

2. 欠席時対応加算とは

 

2.1 欠席時対応加算の概要

欠席時対応加算は、利用者が急病などやむを得ない理由で利用を中止した場合に、事業所が適切な対応を行うことで算定できる加算です。
この加算は、事業所が利用者の急な欠席に対して柔軟に対応し、支援を継続的に提供できる体制を評価するものです。

この加算を適用するためには、欠席が事前に連絡されたものであり、事業所側が適切な対応を取ったことが条件となります。

 

2.2 算定要件

欠席時対応加算を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

 

要件1. 急病等による利用中止の連絡

– 利用予定日の前々日、前日、または当日に、利用者またはその家族から急病等の理由で利用中止の連絡があった場合に対象となります。

 

要件2. 連絡調整や相談支援の実施

– 利用者や家族と連絡を取り、状況確認や必要な相談支援を行うことが求められます。
– 対応内容について詳細な記録を残すことが不可欠です。

 

要件3. 算定回数の制限

– この加算は、1ヶ月に最大4回まで算定可能です。

 

2.3 記録のポイント

欠席時対応加算の算定には、対応内容を正確に記録しておくことが求められます。記録内容は次の通りです。

– 連絡を受けた日時
– 連絡者名(利用者または家族)
– 欠席日とその理由
– 行った支援の内容
– 具体的な連絡調整の内容
– 病院受診の有無

これらの情報を適切に記録することで、利用者への支援内容を明確にし、後日のトラブルを防ぐことができます。

 

3. 加算制度の意義と事業所の対応策

「食事提供体制加算」と「欠席時対応加算」は、いずれも利用者の健康と生活を支援するための重要な制度です。
事業所がこれらの加算を正しく理解し運用することで、利用者の満足度向上や事業所の運営の安定化につながります。

さらに、これらの加算を算定するためには、日常的な記録の徹底や職員の教育、適切な相談支援体制の構築が必要です。
特に、行政書士や福祉の専門家と連携して要件を確認することで、加算の適用に関する不安を軽減することができます。

 

加算制度に関する詳しい情報や運用上の疑問がある場合は、行政機関や専門家に相談することをお勧めします。また、定期的に制度の変更点を確認し、事業所の運営方針に反映させることも大切です。

 

ならざき行政書士事務所は、障害福祉サービスの事業者様をサポートしています。
取扱い業務および料金は、こちらのページをご覧ください。
ご相談・ご依頼は、こちらのお問い合わせフォームよりお寄せください。

 

 

参照記事等

LITALICO仕事ナビのウェブサイト「ポイント解説:食事提供体制加算【2024(令和6)年度報酬改定対応】」
https://snabi-biz.jp/guide/idx9
(最終閲覧2024年12月9日)

行政書士おの事務所のウェブサイト「食事提供体制加算を分かりやすく解説!」
https://ono-office.com/syokujikasan/
(最終閲覧2024年12月9日)

LITALICO発達ナビのウェブサイト「欠席時対応加算の記録例|要件や算定回数も解説します 【令和6年度報酬改定対応】」
https://h-navi-biz.jp/management/6004
(最終閲覧2024年12月9日)

けあタスケルのウェブサイト「【2024年改定対応】欠席時対応加算とは?算定時のポイントや記録例を詳しく紹介!」
https://caretasukeru.com/disability-support-law/calculation-requirements-disability-support-law/add-on-requirements-calculation-requirements-disability-support-law/7528/
(最終閲覧2024年12月9日)

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