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【障害福祉サービス】就労継続支援B型サービスにおいて訪問支援を行った場合、利用者負担上限額を管理する場合の加算

就労継続支援B型サービスにおける「訪問支援特別加算」と「利用者負担上限額管理加算」について

 

就労継続支援B型(以下、B型事業所)は、障害のある方が安定して働き続けられるようサポートするための福祉サービスです。
日々の支援はもちろん、利用者が離職することなく社会とつながり続けられるよう、多岐にわたる取り組みが求められます。

今回ご紹介する「訪問支援特別加算」と「利用者負担上限額管理加算」は、B型事業所が質の高い支援を提供するうえで重要な要素です。
加算の仕組みを正しく理解し活用することで、事業所は利用者への負担軽減と支援向上を両立できます。
本記事では、それぞれの加算について詳しく解説します。

 

1. 訪問支援特別加算とは

「訪問支援特別加算」は、B型事業所が利用者に提供する訪問支援に対して加算される制度です。
特に、利用者が長期間サービスを休む際に必要となる支援をカバーするために設けられています。

 

1-1. 訪問支援の意義

B型事業所の利用者は、健康状態や生活環境の変化によって事業所を長期間利用できなくなる場合があります。
その際に事業所の職員が自宅を訪問して支援を行うことは、利用者の再利用を促し、社会参加を維持するうえで大変重要です。
訪問支援特別加算は、このような訪問支援の質と頻度を高めるために導入されました。

 

1-2. 加算を取得するための条件

訪問支援特別加算を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

-連続した5日以上のサービス利用休止
利用者が連続して5日以上事業所を利用しなかった場合に対象となります。

-訪問による支援活動の実施
職員が利用者の自宅を訪問し、家族や本人と面談を行ったり、生活環境の確認やアドバイスを提供したりします。

-支援計画への明記
個別支援計画に訪問支援の内容を記載し、実施前に利用者の同意を得ている必要があります。

 

1-3. 訪問支援特別加算の内容

加算額は、訪問にかかる時間によって異なります。

– 1時間未満の訪問:1回あたり187単位の加算。
– 1時間以上の訪問:1回あたり280単位の加算。

また、加算は1ヶ月に2回まで算定することが可能です。
これにより、事業所が適切に訪問支援を提供するインセンティブが与えられています。

 

2. 利用者負担上限額管理加算とは

「利用者負担上限額管理加算」は、障害福祉サービスの利用者負担が上限額を超えないよう管理する役割を担う事業所に対して支払われる加算です。
利用者にとって負担軽減が図られるだけでなく、事業所間での連携強化にもつながります。

 

2-1. 利用者負担の仕組み

障害福祉サービスを利用する際、利用者は所得に応じた自己負担額を支払う必要があります。
ただし、この負担額には一定の上限が設定されています。
利用者が複数の事業所を利用する場合、上限を超える負担が発生しないよう調整することが求められます。

 

2-2. 加算を取得するための条件

利用者負担上限額管理加算を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

1.利用者の負担額を正確に把握する
利用者が複数のサービスを利用している場合、他事業所の負担額も含めて全体の負担を正確に把握します。

2.事業所間での連携を行う
他のサービス提供事業所との間で連絡を取り合い、利用者の負担額を適切に調整します。

3.調整内容を記録する
上限額を超えないよう調整した内容を記録し、保存することが必要です。

 

2-3. 加算の実際の運用

利用者負担上限額管理加算を算定するには、事業所間での連絡や調整の手間がかかる一方、利用者にとっては経済的な負担が軽減され、安心してサービスを利用できるメリットがあります。
この加算を活用することで、事業所はより多くの利用者にとって重要な役割を果たせます。

 

3. 訪問支援特別加算と利用者負担上限額管理加算の活用

両加算は、B型事業所が利用者に対して質の高い支援を提供するうえで欠かせない制度です。
特に訪問支援特別加算は、利用者が長期間事業所を利用できない状況でもサポートを継続するために重要な役割を果たします。
一方、利用者負担上限額管理加算は、利用者の経済的負担を軽減するだけでなく、事業所間の連携を強化する仕組みです。

 

 

4. 加算活用のポイントと注意点

 

4-1. 利用者目線でのサービス提供

加算を活用する際には、利用者のニーズを第一に考えることが重要です。
訪問支援においては、利用者の生活状況や希望を丁寧にヒアリングし、適切な支援計画を立てることが求められます。

 

4-2. 正確な記録の管理

加算を申請するには、実施内容を詳細に記録し、必要な書類を整備しておく必要があります。
特に、利用者の同意を得たうえで支援計画を作成することは必須です。

 

4-3. 職員のスキルアップ

事業所の職員が加算に関する要件を正しく理解し、スムーズに対応できるようにするため、定期的な研修や情報共有を行うことが効果的です。

 

まとめ

「訪問支援特別加算」と「利用者負担上限額管理加算」は、B型事業所が利用者をサポートする際にとても重要な仕組みです。
これらを正しく理解し活用することで、事業所は利用者により充実した支援を提供できます。
また、利用者が安心してサービスを継続利用できる環境を整えることは、事業所の社会的価値を高めることにもつながります。

 

ならざき行政書士事務所は、障害福祉サービスの事業者様をサポートしています。
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参照記事等

行政書士YTRディア法務事務所のウェブサイト「訪問支援特別加算と欠席時対応加算算定の要注意ポイント」
https://ytrdia-office.com/addition-missed-visit/
(最終閲覧2024年12月6日)

ウェルクリップのウェブサイト「障害福祉事業の「訪問支援特別加算」とは?適用条件と注意点を解説?」
https://fukusi.kabudata-dll.com/houmonshien-tokubetsu-kasan/
(最終閲覧2024年12月6日)

LITALICO仕事ナビのウェブサイト「ポイント解説:利用者上限額管理加算」
https://snabi-biz.jp/guide/idx8
(最終閲覧2024年12月6日)

障がい福祉事業サポートセンターのウェブサイト「障がい福祉事業の「上限管理」を3分で解説!」
https://info-wpp-sh.biz/ceiling-control/
(最終閲覧2024年12月6日)

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