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【障害福祉サービス】共同生活援助(グループホーム)サービスにおいて帰宅時に支援した場合の加算

共同生活援助サービスにおける「帰宅時支援加算」と「長期帰宅時支援加算」について

 

共同生活援助(グループホーム)は、障害を持つ方々が地域で自立した生活を送るための大切な支援を行う場です。
利用者が家族のもとへ帰省する際、家族との調整や交通手段の確保などの支援を提供することで、利用者の生活をより豊かにすることが可能です。
本記事では、帰宅時支援加算と長期帰宅時支援加算について、制度の目的や算定要件、注意点を詳しく解説します。

 

1. 帰宅時支援加算とは

 

1.1 制度の概要

帰宅時支援加算は、利用者が家族などの居宅に帰省する際、事業者が必要な支援を提供した場合に適用される加算です。
この加算は、利用者が帰省を通じて家族との関係を深め、精神的な安定を得る機会を確保することを目的としています。
また、事業者側にとっては、帰省期間中の支援内容が明確に評価される仕組みです。

 

1.2 算定要件

帰宅時支援加算を算定するためには、以下の要件を満たす必要があります。

1.個別支援計画の作成
帰省の目的や必要な支援内容を、事前に個別支援計画に記載する必要があります。
例えば、家族とどのような連携を行うのか、帰省中に注意すべき点などを明確にすることが求められます。

2.家族との連絡調整
帰省にあたり、家族との具体的な調整を行い、利用者の受け入れ準備や帰省中の状況確認をスムーズに行う体制を整えます。

3.帰省中の状況把握
帰省期間中も利用者の安全を確保するため、適宜状況を確認し、必要に応じて計画を見直します。

 

1.3 加算単位と具体例

帰宅時支援加算の単位は、帰省期間によって異なります。

-帰省が3日以上7日未満の場合:187単位/月
-帰省が7日以上の場合:374単位/月

 

【具体例】

利用者Aさんが11月10日から14日まで家族宅へ帰省した場合、滞在期間は4日間となり、帰宅時支援加算(187単位)の対象となります。
なお、帰省初日(11月10日)と最終日(11月14日)は滞在日数に含まれません。

 

1.4 注意点

-月に1回のみ算定可能
帰宅時支援加算は1ヶ月に1回のみ算定できます。同じ月内で複数回帰省する場合、いずれか1回のみが対象となります。

-対象外となる場合
帰省先が家族宅以外、例えば友人宅などの場合は算定対象外です。

-他の加算との併用不可
帰宅時支援加算と長期帰宅時支援加算は同時に算定することができません。
どちらを適用するか慎重に判断する必要があります。

 

2. 長期帰宅時支援加算とは

 

2.1 制度の概要

長期帰宅時支援加算は、利用者が家族宅などへ3日以上の長期帰省をする際に、事業者が必要な支援を行った場合に適用される加算です。
この加算は、利用者が安心して長期的に帰省できる環境を整えることを目的としています。

 

2.2 算定要件

長期帰宅時支援加算を算定するためには、以下の条件を満たす必要があります。

1.支援内容の明記
個別支援計画に、帰省期間や支援内容、連絡調整の具体的な方法を記載することが求められます。

2.交通手段の確保
利用者が安全かつスムーズに帰省できるよう、交通手段の手配や家族との引き渡し方法を明確にします。

3.帰省期間中のフォローアップ
帰省中も定期的に利用者の状況を確認し、必要に応じて支援内容を調整します。

 

2.3 加算単位と具体例

-介護サービス包括型:40単位/日
-日中サービス支援型:50単位/日
-外部サービス利用型:25単位/日

 

【具体例】

利用者Bさんが12月1日から12月10日まで家族宅へ帰省した場合、滞在期間は8日間となり、長期帰宅時支援加算(40単位×8日分)が算定されます。

 

2.4 注意点

-長期の帰省に限定
短期間の帰省では適用されないため、帰省日数の計算に注意が必要です。

-複数月にまたがる場合の対応
帰省期間が複数月にまたがる場合でも最長3ヶ月まで算定可能です。
ただし、2ヶ月目以降は月の初日2日間が算定対象外となります。

 

3. 事業運営における留意点

帰宅時支援加算や長期帰宅時支援加算を活用する際には、以下の点に注意しましょう。

 

3.1 記録の整備

事業者は支援内容や連絡調整の詳細を記録し、監査に備える必要があります。
不備があると、後に加算が認められない可能性があるため、正確かつ適切な記録を心がけましょう。

 

3.2 家族との連携強化

加算の要件には、家族との連絡調整が含まれるため、日頃から良好な関係を構築しておくことが重要です。
緊急時の対応や、帰省の際に必要な連絡がスムーズに行える環境を整えておきましょう。

 

3.3 帰省計画の柔軟性

利用者の状況や家族の希望によって、帰省のスケジュールが変更されることもあります。柔軟に対応しつつ、必要な手続きや記録を忘れずに行いましょう。

 

まとめ

帰宅時支援加算と長期帰宅時支援加算は、利用者の帰省支援を評価する重要な制度です。
適切に活用することで、利用者が家族との絆を深め、安心して地域での生活を続けられるよう支援できます。
事業運営を安定化させるためにも、各加算の要件や注意点を正確に理解し、計画的に対応していきましょう。

 

ならざき行政書士事務所は、障害福祉サービスの事業者様をサポートしています。
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参照記事等

障がい福祉事業サポートセンターのウェブサイト「帰宅時支援加算/グループホーム(障がい者)について説明」
https://info-wpp-sh.biz/kitakukasan-gh/
(最終閲覧2024年12月5日)

ウェルクリップのウェブサイト「障害福祉事業の「帰宅時支援加算」とは?適用条件と注意点を解説!」
https://fukusi.kabudata-dll.com/kitakuji-shien-kasan/
(最終閲覧2024年12月5日)

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