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【障害福祉サービス】事業所の新規指定申請の手続きー名古屋市の場合

【障害福祉サービス】事業所の新規指定申請の手続き―名古屋市の場合

 

障害福祉サービス事業所を開設するためには、自治体に対して新規指定申請を行う必要があります。
この手続きには、多くの準備が必要であり、各自治体の基準や手順を把握することが重要です。
この記事では、名古屋市における障害福祉サービス事業所の新規指定申請の手続きについて、詳しく解説します。
これから事業所を設立しようと考えている方にとって役立つ内容を盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。

 

1. 障害福祉サービス事業所とは?

障害福祉サービス事業所とは、障害を持つ方々が自立した生活を送るための支援を行う施設や事業所のことです。
これらの施設では、利用者のニーズに応じたさまざまなサービスを提供しています。

 

1-1.主なサービスの種類

障害福祉サービスには、以下のような種類があります。

-居宅介護(ホームヘルプサービス):利用者の自宅を訪問し、食事や排せつ、掃除などの日常生活を支援します。
-生活介護:主に通所施設で、日中の活動支援やレクリエーションを通じて、利用者の生活の質を向上させます。
-就労支援:障害を持つ方の社会参加を促進するための支援で、A型(雇用型)やB型(非雇用型)があります。
-短期入所(ショートステイ):家族が一時的に介護を担うことが難しい場合に、利用者を施設で預かるサービスです。

詳しくは、ブログ記事「障害福祉サービスの種類」(2024年10月4日掲載)をご覧ください。

これらのサービスを適切に提供するためには、自治体から指定を受けることが法律で義務付けられています。

 

2. 新規指定申請の基本的な流れ

名古屋市で障害福祉サービス事業所の新規指定申請を行う場合、以下の手順に従う必要があります。それぞれのステップで重要なポイントを押さえて進めましょう。

 

2-1.事前相談

名古屋市の窓口は、「健康福祉局 障害福祉部 障害者支援課 指定指導係(事業者指定担当)」です。
指定指導係への事前相談は、申請手続きの第一歩です。
3か月前の10日までに「指定相談等初回相談申込書」を提出して後、事前相談が行われます。
この段階では、提供を予定しているサービスの種類や事業所の規模、事業計画について自治体と話し合います。
また、指定基準等に関する質問や、建物の新築・改修に当たっての図面相談をすることになります。

特に、名古屋市が定める独自基準や設備要件について、明確に理解することが重要です。

ポイント:相談時に疑問点や不安を解消し、準備の方向性を明確にしておきましょう。

 

2-2. 必要書類の準備

新規指定申請に必要な書類は多岐にわたります。
各サービスの共通の書類として以下が挙げられます。

番号 必要な書類
1 申請書
2 第1号様式別紙(同一所在地で他方の指定を受けている場合に添付)
3 申請書に添付が必要な付表
4 サービス提供責任者・サービス管理責任者・相談支援専門員 一覧表
5 申請者の定款又は寄附行為
6 法人の登記簿の謄本
7 事務所(建物)の平面図
8 事務所の外観及び内部の写真
9 設備・備品等一覧表
10 居室面積等一覧表

 

番号 必要な書類
11 事務所建物にかかる賃貸借契約書(賃貸の場合)又は建物登記簿謄本(所有の場合)
12 地域連携・消防・建築に関する調書
13 既存建築物に係る建築基準法上の適合状況報告書
14 事務所の位置図
15 経歴書(管理者)
16 管理者の資格要件を証する書類
17 経歴書(サービス提供責任者、サービス管理責任者、相談支援専門員)
18 実務経験証明書
19 研修修了証の写し
20 サービス管理責任者の兼務状況

番号 必要な書類
21 資格証等の写し
22 運営規程
23 利用者(入所者)からの苦情を解決するために講ずる措置の概要
24 従業員の勤務体制及び勤務形態 一覧表
25 組織体制図
26 協力医療機関に関する協定書の写し
27 他の障害福祉サービス事業者等関係機関との連携その他の支援体制の概要
28 主たる対象者を特定する理由等(特定する場合のみ)
29 障害者総合支援法第38条第3項各号の規定に該当しない旨の契約書

 

番号 必要な書類
30 申請調書
31 併設事業所に係る誓約書
32 その他(備考欄を参照)
33 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書
34 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表
35 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書に添付する必要な別紙
36 処遇改善計画書
37 業務移管体制届出書
38 社会保険及び労働保険への加入状況に係る確認票

 

これらの書類を正確に記入し、提出します。
そして、指定月の前々月の10日までに、申請書類のチェックを受けます。

注意:記載ミスや書類の不足は、審査の遅れや申請の却下につながる可能性があるため、慎重に作業しましょう。

 

2-3. 現地調査

指定月の前月の20日前後、提出した書類に基づいて、名古屋市の担当職員が現地調査を実施します。
この調査では、事業所の設備や運営体制が基準を満たしているかが確認されます。
具体的には、以下の項目がチェックされます。

– バリアフリー設計がされているか
– 避難経路や安全設備が十分か
– 設備が利用者のニーズに合致しているか など

調査の際に不備が発覚した場合は、改善を求められることがあります。
迅速に対応しましょう。

 

2-4. 指定の決定

全ての審査が完了し、基準を満たしていると判断されると、事業所の指定が正式に認められます。
指定月の前月の月末に指定通知書を受け取った後、指定月の1日付でサービス提供を開始することができます。

 

3. 名古屋市での申請時のポイント

名古屋市で障害福祉サービス事業所を設立する際には、特に以下の点に注意しましょう。

 

3-1. 提出期限

申請は、サービス開始予定日の3カ月前までに行う必要があります。
この期限を過ぎると、希望する日時にサービスを開始できないので、早めの準備を心がけましょう。

 

3-2. 名古屋市の独自基準

名古屋市では、一部のサービスや事業所について独自の基準を設けています。
例えば、特定の設備や職員の配置について他の自治体と異なる要件がある場合があります。
事前相談で必ず確認しておきましょう。

 

3-3. 書類の正確性

書類の記載内容が曖昧だったり、不足していたりすると審査が遅れる原因になります。
特に、職員の配置や資格証明に関する書類は細かく確認されます。
専門家にチェックしてもらうことも一つの方法です。

 

 

4. 行政書士のサポートを活用するメリット

障害福祉サービス事業所の指定申請は、多くの専門的な知識や労力を要する手続きです。
行政書士に依頼することで、以下のようなメリットが得られます。

– 書類作成や提出手続きの代行
– 名古屋市の独自基準や法令の解釈についてのアドバイス
– 審査をスムーズに進めるためのポイントの提案

ならざき行政書士事務所では、障害福祉サービスのうち「共同生活援助(グループホーム)」と「就労継続支援B型」の事業所の新規指定申請を全面的にサポートしています。代表行政書士が、事業計画の作成から提出まで一貫してお手伝いいたしますので、お気軽にご相談ください。

 

5. スムーズな手続きを進めるために

最後に、名古屋市で障害福祉サービス事業所を開設する際に重要なポイントをまとめます。

1.早めの準備:書類の準備や自治体とのやりとりには時間がかかるため、余裕を持って取り組みましょう。

2.専門家の活用:行政書士など専門家のサポートを受けることで、申請手続きが大幅に簡略化できます。

3.定期的な確認:提出前に書類や事業計画を再度確認し、不備がないようにすることが重要です。

障害福祉サービス事業所の開設は、地域社会に貢献する大きな第一歩です。
この記事を参考に、準備を進めてください。
もし迷いや不安がある場合は、ならざき行政書士事務所にご相談ください!

ならざき行政書士事務所は、障害福祉サービスの事業者様をサポートしています。
取扱い業務および料金は、こちらのページをご覧ください。
ご相談・ご依頼は、こちらのお問い合わせフォームよりお寄せください。

 

参照記事等

名古屋市健康保険福祉局障害福祉部障害者支援課『障害福祉サービス事業者等指定申請・指定基準の手引き(令和6年4月1日 第14版)』
https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/_files/00179010/shiteitebiki20240401.pdf(2024年6月9日最終閲覧)

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