ブログ

【外国人在留資格】在留資格に関する近年の法改正について

在留資格に関する近年の法改正について

 

1. 在留資格とは?

在留資格とは、外国人が日本に滞在し、特定の活動を行うために必要な許可のことです。
日本では、在留資格ごとに「どのような活動ができるか」「どのくらいの期間滞在できるか」といった条件が決まっており、外国人が滞在中に行える活動内容が異なります。
例えば、外国人留学生の場合は「留学」という在留資格で学業に専念でき、また就労希望者には「技術・人文知識・国際業務」などの資格が用意されています。
こうした資格を得ることで、外国人は合法的に日本で生活や活動を行うことができ、無資格での活動や不法就労を防ぐ役割も果たしています。

 

2. 近年の在留資格に関する法改正の背景

日本では、少子高齢化に伴う労働力不足が深刻な問題となっており、外国人の労働者の受け入れが増加しています。
この背景には、日本経済の持続可能性を確保するために、外国人労働者に貢献してもらう必要があるという考えがあります。
また、国際化の進展により、国境を越えた人材の交流や、外国人の生活の支援が求められる時代となっています。
このような背景から、日本政府は近年、外国人が日本で働きやすく、生活しやすい制度の整備を進めており、在留資格に関する法改正が行われています。

 

 

3. 特定技能制度の導入

 

3.1. 特定技能とは?

特定技能は、一定の専門知識や技能を持つ外国人が日本で働くことができる新しい在留資格です。
この制度は2019年4月に導入され、外国人労働者が特定の分野で働くことを目的としています。
特定技能の資格には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があり、1号では5年間の滞在が認められ、2号ではさらに長期の滞在が可能です。
特定技能2号になると家族を帯同することもできるようになるため、外国人にとっては魅力的な資格です。

 

3.2. 特定技能の対象分野

特定技能の対象分野は、日本の社会や経済で特に人手が不足している14分野に限定されています。
例えば、介護、建設、農業、宿泊業、ビルクリーニング、外食産業などが対象となります。
これらの分野では、慢性的な人手不足が問題となっており、特定技能制度が導入されることで、外国人労働者による支援が期待されています。

 

3.3. 特定技能の申請手続き

特定技能の在留資格を取得するためには、申請者が技能試験や日本語試験に合格することが条件となります。
特定技能1号の場合、試験をクリアすれば5年間の在留が認められますが、1号から2号に移行するにはさらなる試験や審査が必要です。
また、在留資格を取得するためには雇用契約の締結も求められ、特定の受け入れ機関による支援体制が必要です。

 

4. 技能実習制度の見直し

 

4.1. 制度の改善点

技能実習制度は、発展途上国の人々が日本の技術や技能を学び、自国に持ち帰ることで発展に寄与することを目的に設けられた制度です。
しかし、日本での労働力確保の手段として利用される面もあり、技能実習生の労働条件や待遇が問題視されることもあります。
そのため、日本政府は技能実習制度を改善し、実習生が安全に学びながら就労できるように環境を整える取り組みを進めています。
近年では、労働環境の改善や実習生の権利保護の強化も進んでいます。

 

 

5. 永住権の取得要件の緩和

 

5.1. 永住権取得要件の見直し

永住権を取得すると、在留資格の更新が不要となり、日本での長期的な生活が可能になります。
これまで、永住権の取得には厳しい要件が求められてきましたが、最近では外国人が日本で長期間住むための要件が一部緩和され、条件を満たせば、より早く永住権を取得できるようになっています。
特に、高度な専門知識や技能を持つ人材については、より短期間で永住権の申請が認められるようになりました。
これにより、日本での長期滞在を希望する外国人にとって、日本がさらに魅力的な選択肢となっています。

 

6. 留学生の就労機会の拡大

 

6.1. 新しい就労資格の導入

外国人留学生が日本で学んだ後に、習得した知識や技術を活かし、卒業後も日本で働くことができるようにするための新しい就労資格が導入されています。
これは、留学生が日本での学びを日本企業に還元するための取り組みでもあります。
新しい就労資格により、留学生は卒業後も就労ビザを取得しやすくなり、日本の企業での就業機会が広がっています。
留学生が日本で働きやすくなることで、日本の国際競争力の向上も期待されています。

 

 

7. 外国人家族の帯同について

 

7.1. 家族帯同の要件緩和

日本で働く外国人が家族とともに日本で生活することを希望するケースが増えています。
これに対応し、日本政府は一部の在留資格において、外国人の家族帯同に関する要件を緩和しています。
特に、特定技能2号の取得者や高度専門職といった一定の条件を満たす人には、家族を日本に呼び寄せることが可能となりました。
家族帯同が許可されることで、日本で働く外国人は家族と一緒に安定した生活を送ることができ、長期的な滞在がしやすくなっています。

 

まとめ

近年、日本の在留資格制度は多様化し、外国人が日本で働きやすく、生活しやすい環境が整えられています。
特定技能制度の導入や技能実習制度の見直し、永住権の取得要件の緩和、留学生の就労機会の拡大、そして家族帯同要件の緩和など、さまざまな法改正が行われています。
こうした取り組みにより、外国人にとって日本が魅力的な選択肢となり、国際社会の一員としての日本の役割も広がっています。
日本で生活や働くことを考えている外国人にとっては、こうした制度の変化が将来の計画に大きな影響を与えるでしょう。

 

参照記事等

出入国在留管理庁のウェブサイト「最近の入管法改正」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/bill/kaisei_index.html
(最終閲覧2024年10月29日)

外国人採用サポネットのウェブサイト「【2023年版】入管法改正はどう変わった?わかりやすく解説 改正案や特定技能との関係とは」
https://global-saponet.mgl.mynavi.jp/visa/624
(最終閲覧2024年10月29日)

PAGE TOP